第151回 『 平成2年のバブル年不況 』 5

  • 2004/08/03(火) 15:00:00

・部門には上下二種類の人間が存在する。しかし二種類の人の棲み分けは易しくない。たとえば営業という仕事は難しく、育成もやさしくない。新人がこれを学ぶには、正しく効率よくやって3年はかかる。そうでなければ5、6年かかり、脱落する者も少なくない。では新人はどのようにして仕事を学ぶか。
・新人には目標が与えられる。新人は、自分の1ヵ月の目標を達成する過程で仕事を覚える。具体的なやり方はオンザ・ジョブで上司に教えてもらう。 上司は毎月の目標達成を指導し、3年で新人を育成する任務を持っている。上と下は、協力して目標を達成しなくてはならない。その作業に誠実でなくてはならない、のだが…。

【 嫌がる者と恐れる者 】
・下は営業のやり方に、上から口を出されるのを嫌がる。半年もたつと、上の言葉数が増えると露骨に嫌な顔をする。上司は、そんなやり方では売れないヨという言葉を呑みこむ。部下との関係を悪化させるのを恐れて…。嫌がる者と恐れる者は、肝心の目標達成というテーマについて口をつぐんでいる。
・新人とは仕事を十分には知らないし、今のところ技術は未熟だ。管理者とは新人より仕事の経験を積んでいる。彼は何をすべきか、いかにすべきか、いつまでに、どの位の量かを知っている。 しかし、彼らは早々に妥協を始める。
「先月、新規は1件だったね。今月は…? 2件できるよネ」 「やるだけ、やってみます…」目標値は下がり、妥協と安易な会話を交わす。営業は生半可ではないから目標に達しない。

【 計画の重要さ 】
・目標達成という言葉は本当に甘くない。目標は上下が論議を交わさなくては、結果は出ない。失敗しないように十分計画を練る事、大切なのは2人は話し合うことだ。この過程で時にぶつかる事もある。しかし、この研究と実行のくり返しが仕事をうまく運ぶ。

・日々の計画の経過の中に無駄や問題を見つけたら、その都度協議し、工夫改善を加えていく。計画が密になればそれは自然に経過管理に変質する。経過を目標に定める事で結果が出せるようになる。結果管理では一人前の営業マンを育てにくいのが日本企業での現状である。

【 厳しい戦場をさ迷う 】
・日本人は営業的センスに残念ながら恵まれていない。営業マンが育ち難い原因の1つはここにある。 日本固有の文化、日本人固有の性格が関係している。我々は子供の頃から控えめでいる事を美徳とした。沈黙は金、雄弁は銀だ。自己を主張したり、自分の長所をアピールをする習慣が身についていない。家庭でも学校でも躾の項目にない。こうして社会的訓練が無い者がいきなり営業のフィールドに立たされる! 途惑うばかり、有効な売込みの方法を知らないまま、厳しい戦場をさ迷い歩く。そうして疲れ果てて勝算のない戦線を退く。

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