第156回 『 平成2年のバブル不況 』 10
- 2004/09/14(火) 15:00:00
・平成14年、当社の売上は21.2億、前年比5.7%ダウンという相も変らぬ姿を示した。私は1月から始まる新年度の目標設定のため年末、ひとり上記数値に取り組んでいた。なお、利益1210万、利益率は1%を割り込んでわずかに0.57%であった。
・利益率は企業経営の健全性を示すもので、少なくとも売上高の3%は欲しい。0.57%という利益は、赤字の実体をカバーして黒字決算にした化粧と見られかねない。それでも黒字は黒字だから、私は胸を張っているようにしていた。
・利益率がマイナスに転じればどうなるか。独立系の中小企業は、銀行からの融資の確保を常に考えておかねばならない。従って赤字決算にならないよう細心の注意を払うであろう。赤字決算が続けば、不足する資金の金策が出てきそうだ。ここには高利の資金という危険がつきまとう。それだけに、逆に利益率が5%、10%と伸びるなら企業にとってこの上ない強味になる。
【 目標を二桁成長にする 】
・平成14年12月、私は1月から始まる新年度の目標設定を行った。思い切って目標を二桁成長にしてはどうか…。 当社の実績からはありえない数字だが、本気でそんな事を考えていた。会社の内部が変化していて、あながち冗談だけでもなかった。
・年末の役員会の席で、平成15年の売上目標23.5億、前年比10.5%アップ、利益2.5億(9.9%)を提案した。 「二桁成長です」 役員達はこの案に眉をひそめる者、明るい反応を示す者がいた。その後激しい論議を経て、目標は原案通り承認された。悪い数字が続くことに、彼らもアキアキしていたのかもしれない。
【 月末、バラバラ数字が落ちてきた 】
・では−5.7%成長を二桁成長に変える…、そのような社内の変化とは何か。具体例をあげよう。一般に企業の部門長達は、自部門の売上が今月いくらになるか分からない。ある程度の見当はつくが月末の結果の間に誤差が生じる。その誤差が10%、20%にもなると、実戦の役に立たない。企業のトップは部門長に月初に販売計画を提出させるが、計画の大幅な狂いは常態化していて管理は後追となり、手がつけられない。
・かつて我々も同じような状態にあった。部門長達は頼もしい数字を提出して期待させたが、月末になるとバラバラ数字が落ちてきた。我々は希望をもってスタートし、ガッカリしながら一カ月を終えた。数字に振りまわされ、わけが分からない。10%、20%の誤差を許されないものと考えた。誤差を小さくできないか。我々は7年間追求し、売上は誤差5%以内で収まるようになった。売上の誤差は部門長の中に犯人がいるからだ。彼らは楽観的な数値を出し吟味も反省にも欠けていた。が、しっかり追及することで数字のコントロールを管理し、浸透した。
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