第180回 『 考える癖、選択の幅 』 4

  • 2005/08/16(火) 15:00:00

・会社は数十、時に数百の部門によって成る。その部門は誰によって支配されているか。トップ、管理者、部下という三者のうち、いずれの考えで部門は経営されているか。私は部門は部下の意見によって動いているとした。つまり、部門の支配者は 「部下」 なのである。心ならずも、管理者は支配者として部下を選んでしまうのだ。「トップ」「管理者」が部門を支配していると言えるのは共に全体の1割程度でしかない…。 以上が前号で下した結論であった。

【 部門の指揮権を取り戻すために 】
・以上の状況は経営にとって重大な問題を提起する。なぜなら部門は効率を高めねばならぬ宿命にあるが、部下の考えで経営をして効率が高まるはずがないからだ。このような事態にトップや管理者は手を拱いているわけではない。そこには常に暗黙の闘いが行なわれている。当然、トップや管理者の意が通り勝利することもある。しかし、一つの改善に馬鹿馬鹿しいほどの時間とエネルギーを掛けねばならない。
・ここにおいて管理者には次の難題が残される。すなわち管理者はいかにして部門の指揮権を取り戻すか…。その方法があるとすれば、それは何か。方法の一つは部門経営の鉄則について三者の共通認識を確立し、これを部門に徹底することである。では、部門経営の鉄則とは何か。

【 山里の漬物業も 】
・そもそも企業は常に競合他社との競争にさらされていて、例外はない。トヨタもソニーも町工場も山里の漬物業も。競争に勝つためには部門ごとに仕事の方法を改善し、品質の向上、コスト削減を実現せねばならない。それが出来なければ出来た所に喰われるだろう。納期が短縮出来なければ、罰則的値引を要求されよう。すなわち、部門経営の鉄則とは新しい仕事のやり方を追求し、古いやり方を捨て去ることである。そしてトップ・管理者・部下の三者が、この鉄則について共通認識を身につけておくことである。
・やり方を変えなければ結果は変わらない。管理者の役割は、この鉄則をくり返し訴え、部門の一人一人に徹底することである。

・新しい仕事のやり方は常にうまくいかない宿命にある。10の試みがことごとく失敗するという事もある。失敗をくり返すことは誰にとっても苦しい事である。メンバーはもとより、管理者にもトップにも。苦しければ不満が出る。これを続けようと言う者を憎む。人々は方針に対し熱意を失い、やがて手を抜くであろう。こうして新方式の失敗は決定的となる。こうした事態を避けるためにも、鉄則に対するメンバーの認識を徹底すべきなのだ。

【 方針に対する理解を深める 】
・新方式を成功させる第二の条件は管理者がトップの方針、新方式の意義をよく理解、納得できていることである。仮に管理者の理解が中途半端であれば、部下を説得するのは難しい。それどころか新方式に対し、自らのやる気がわいてこないであろう。そしてこういうケースが非常に多いのだ。
・ある方針を理解するとはどういう事か。初めにチェックするのは現状である。われわれは今、どのような仕事の進め方をしているのか。それによってどれだけの業績をあげているのか。この方式はいつ、どのようにして作られたのか。まず現方式の現状のデータを揃える。初めは簡単なデータかもしれない。しかし何度も作り直すことだ。そしてしっかりしたデータはやがて語り始めるだろう。不振の箇所はどこか。改善の余地のある工程はどこにあろう。どこにどのような改善をすればよいか。(この項、続く)

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する
 にほんブログ村 経営ブログへ