第226回 『 意思決定と役員会 』 2
- 2007/04/20(金) 15:00:00
【 私の興味をひかないグラフや表 】
・良い経営をするにはしっかりしたデータを作り、問題を正しく認識し、判断決断に当たり経営の舵取りを誤らない事である。これが勘による経営に替わる現代の経営である。トップになって以来、私はそれを知ってもいたし感じてもいた。ただ、しっかりしたデータがどんなものかを知らなかったし、その作り方も知らなかった。昭和の終わり頃の当社のデータは会計事務所が作成する月次決算とそこに添付されるグラフや表であり、月次決算は未だにピンとこない。グラフや表は一目で理解できるが私の興味をひかなかった。
・そんな頃、大企業の役員を務める友人が、会社のデータを何種類か見せてくれた。それがどんな働きをするか分らなかったが、私に与えられたチャンスであった。私は同じような表やグラフを当社用に何種類か作って、データによる経営を試みてみた。
・あれは1年も続いたであろうか。結局私はギブアップした。今ならその原因は良く分る。データはすべて過去のものだった。前月までの実績、または前月までの10ヶ月の実績…。
【 単なるゴミ屋敷のオヤジですか 】
・先日、テレビでジャーナリストの鳥越俊太郎氏が「鳥越さんの欠点は」と問われて整理整頓ができない事と答えていた。「靴は一ヶ月3足買う。鞄も、それが捨てられないんです。部屋中がガラクタで埋まって。ヨーグルトのビンなんかも…」
「要するに単なるゴミ屋敷のオヤジですか」 「まさにその通り、寝るときはゴミの隙間を見つけて小さくなって寝るんです」 ははア、人には実に様々な癖があるんだ。ダンディな姿に似合わぬ癖に、私は呆れ感心する。
・私は物を捨てられる方だ。リビングにある6人掛けの食卓で私は仕事をしているが、油断すると卓上がごった返している。今年に入って意を決して、食卓の上を零にしている。またホテルのように本やセーターの類も部屋に一切置かないようにしたら、この上なくすっきりした。
・私の癖は文書のファイルや管理ができない事。やかましく言うので報告書やデータがどんどん上がって来る。それらを初めは分類整理していたが、ある日、嫌気が差してやめてしまった。以来、文書は新聞と同じで読み捨てを原則としていた。勿論、重要な書類は捨てないで仕舞い込む。しかし二度と目に触れる事はない。整理下手だが、探すことも下手らしい。現代の経営への挑戦が頓挫した理由の一つは、上の私の癖が一因であったかもしれない。整理下手なトップには現代の経営は出来ないという事だ。
【 羅針盤もなく荒海の闇夜を漂った 】
・さて平成の大恐慌である。我々は羅針盤もなく荒海の闇夜を漂っていた。売上は毎月ぐるぐる変わり、捉えどころがない。模造紙に折線グラフや棒グラフを書き、売上を管理したが役に立つとは思えなかった。間違うと船は波に呑みこまれてそれまでとなる。この時、私は心底から今月の売上を知りたいと思った。勿論、そんな願いは叶うはずもなかったが…。
・しかし私は何かあるはずだと考え続けた。今月の売上という近未来の数字を知っている人は、いない。しかしその数字や情報に近い人間は…? いるはずだ。としたら、それは誰だろう。トップの私か、いや。営業担当役員か、違う。営業の部門長達、そうではない。こうして私は札幌から福岡の営業所で働く120余名の営業担当にたどりついた。月初に、彼らはその月の自分の売上のおよその数字を漠とだが予測しているはずだ…。(この項続く)
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