第120回 『 匿名の葉書 』 3
- 2003/12/16(火) 15:00:00
・一新した英会話コースについての宣伝が始まった。デモセミとは各社の教育担当者に、英会話の実際を見て頂くデモンストレーション・セミナーである。その担当者が元本部の係長、彼は外国人と自分の航空券をインターネットで申し込み、この時日付を一日間違え、航空会社から送られたメールの確認を忘れた。そして当日、二人は羽田の航空会社のカウンターで途方にくれ、セミナーは中止となった。匿名の葉書氏は、 イ.元本部係長はなぜ処分されないか。
ロ.我々が同じ失敗をしたら断罪される。 ハ.本部(のトップ)は身内のミスを隠す。
・この葉書には三つの問題があった。私は管理者養成学校の創設者である。学校では社内の規律を保つためミスや失策は原因を明らかにし、処罰を含む適切な処置をするよう指導している。また、リーダーは自らに厳しくあれとも教えている。匿名氏はまぎれもなく当社の社員であり、私の言動を良く知る立場にある。第一の問題は彼は我々が同じ失敗をしたら断罪される、と書いた。学者や先生は自分ができないことを人にやれと言う。またはできるのに自分はやっていないことがある。こういう学者が多い中、学校で指導していることは会社で実行していると匿名氏は証明してくれた。少なくとも私たちは紺屋の白袴、口先だけの人間ではない…。
・第二の問題は、我々が同じ失敗をしたら断罪される…、断罪という言葉にある。これは私の規律保持が厳しく、処罰は重く数が多いと暗に批判している。私は学校で、失策は原因を明らかにし、処罰を含む適切な処置をするよう指導している。匿名氏は私の処置を過酷としているが、私は適切な処置と思っている。しかし、二人が主観をぶつけ合っても仕方がないのでデータを取ってみることにした。(後述)
・第三に身内のミスを隠すとした。 この批判は私には心外であり、戸惑った。社員が私をこのように見ているのか…。匿名氏は抗議が軽く扱われないよう、パンチを送ったのだろう。しかし一人でも誤解があるなら解いておきたいと思い、私は返信を書いた。ただし匿名氏には届かないので、手紙はデータと共に全社員に公開した…。
・社内の規律を保つため、過誤や失策等に対し、各社それぞれに様々な対処があると思う。一般に創業者が現役のトップであれば対処は厳しくなり、そうでなければ対処は緩む。私は創業者の現役トップなので比較的厳しいと思うが、適切な処置の範囲にあると思う。私の会社の処罰の実際はどのようなものか、当校への派遣責任者やメルマガの皆さんは興味をお持ちかもしれない。そこで社員への手紙をここに公開します。
1.匿名の葉書本文… (略)
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2.処分通知書 処151001
職務上の怠慢
元本部係長 ・処分 減給処分 0.3万円×2ヶ月
・理由 1.時刻という重要事項の確認を怠ったため、
開催時刻に間に合わず、英会話デモセミ
開催が中止となった。
2.お客様からの信頼を失う行動であった。
3.職務上の怠慢により、会社に損害を与えた。
平成15年10月1日 (株)社員教育研究所 代表取締役 元橋康雄
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3.H15年 減給処分 1月〜10月30日
本部 25件 7.8万円
第二企推 4 1.6〃
第三企推 3 1.3〃
セミナー 3 1.4〃
教材部 1 0.2〃
仙台 3 7.0〃
大阪 4 1.1〃
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合計 43件 20.4万円 総務課
4.匿名氏を含めて、社員の方々は是非本部に来て仕事をして下
さい。配置転換のご希望がありましたら、歓迎を致します。
全社の皆さん H15年11月26日 財部一朗
・上記1〜4文書を社員に公開した。この種の処罰は当然、文書で本人に伝えられ、この文書は各部の部門長に必ず送られる。部門長はこれを部下に伝える事になる。元本部係長への処分通知書は、一応全社員が知っているはずであった。この文書を社員に公開した後、総務担当より電話があり、10月1日の処分通知書を部門長へ通知する事を、自分が忘れていた旨の報告があった。
・私はただちにこの旨を部門長に連絡した。ところが部門長の一人から本部処分の25件のうち、送られている物は7、8件しかないという疑問があった。調べてみると他の部門にも7、8件しか送られていない。すると残り18件は何なのか…。私は総務課に説明を求めた。原因は簡単なことだった。本部の通常の処罰は7回であった。この他に私の特別の指導があり不注意に原因のある失策が度重なった。これに対する処罰が18回だった。この18回の特別のケースの処罰では、文書は送付しないきまりだった。
・本部といってもその数わずかに7名前後、これに対し25件の処罰。営業は130人いるから処罰は本部が異常に多い。10ヵ月で本部の処罰は一人3.5回、これに対し営業部は0.14回。 …本部は身内のミスに厳しい。また、当社の規律管理は緩んでいる。
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