第274回 『 叱り屋ホリデー 』3
- 2008/07/25(金) 15:00:00
【 自己管理能力の欠落 】
・では自己管理能力が欠落していると、彼の仕事と彼にどのような影響を与え
るのであろうか。具体的には週一回、5分遅刻する社員が営業職であるなら、
いかなるマイナスになるであろうか。
・時折5分の遅刻をする男の場合、遅刻をしない日には会社に30分前に来て
いるはずが無く、ほぼ毎日始業間際に駆け込んでいるであろうと考えられる。
たぶん、彼はこの日にお客とのアポイントを持っていないのではないかと思わ
れる。その場合、彼に手持ちの見込み客があるなら、これから訪問したいと電
話を掛ける事は出来る。
・が、彼の数少ない手持ちの客には既に何度も電話を掛けているであろう。や
むなく新規のお客に電話を掛け、その日のアポイントを求めて朝から電話で回
線の中をさ迷うのである。
・午後、電話を掛ける事に飽きて、また同僚が出払っている事務所には居難く、
彼はそそくさと外出するのであろう。そして彼流のやり方で"時折"飛び込み訪
問を行って、夕方まで街をさ迷う事になるであろう。こういう一日は、少し辛
い。…誰にとっても。
・そんな頃、30分前主義を叩き込まれたあの社員は、契約を1件獲得してい
る頃であろう。
【 あなたも、電話でさ迷ったりします? 】
・「時折遅刻男」は「30分前主義男」に聞くかもしれない。
『 あなたも、電話でさ迷ったりします? …朝から 』
『 しますよ! でもまあ、さ迷う事は少ないですネ。朝は… 』
『 少ない…。アポイント持ってるんだ? 朝は! 』
『 エエ、朝一番にアポを取るようにしてます 』
『 埋まりますか、いつも? 』
『 エエ、必ずではないですが、ほぼ埋まります… 』
『 他の時間はアポありますか? 』
『 午後一番です。週3〜4日は、埋まります 』
『 ウーン、午後一番ネ…! それ以外の時間は? 』
『 あとは、パラパラ、少ないですね… 』
『 デ、どうして朝一番、アポ多いんだろ? 』
『 私、朝一番から埋めるように… 』
『 デ、取れますか? ドンドン… 』
『 ドンドンは…。1週間かけて埋めてます 』
『 フーン、一週間ネ。大変だ 』
『 エエ…、一日5〜6件は取りたいんですが…。アポを始めて半年ですが、
まだ2〜3件です 』
『 だからなんだ…。朝一番にする理由は何ですか? 』
『 良いスタートを切れば、その日、一日上手く行くような気がします 』
『 へー、午後一番も同じ理由だ 』
【 雑務に追われる 】
・たとえ時折遅刻男に訪問のアポイントがあっても、営業には雑務があり彼は
これを溜めているに違いない。上司が報告書はまだかと彼に聞いてくる。経理
課からは、交通費の精算書を出すようにと言われ、彼は朝から雑務に追われる
事になる。
・気がつけば同僚は既に出掛けた後、時計は10時を指している。彼は慌てて
営業ツール、パンフレット、データを揃え、10分後にあたふたと飛び出して
いく。たぶん、約束時間に遅刻であろう…(4月14日、この項、続く)
※ 次回のメールマガジンの配信は、8月1日です。
『 叱り屋ホリデー 』は全12章の連載です。
第273回 『 叱り屋ホリデー 』 2
- 2008/07/18(金) 15:00:00
【 叱る風景 】
・私は前章で「上司が部下を叱るのは、あちこちの事務所で見られる風景」と述べた。ところが、叱る風景は現実の職場では見られなくなりつつある。それがどこで見られるかというと、テレビドラマの中である。ドラマをつくるシナリオライターは職場の現実を知らない。もしくは叱り、叱られの関係の中には人間を表現でき、上司らしさ、部下らしさが描ける。だから、シナリオライターは現実を知っていても叱る風景を描く。
・だが、現実には管理者が職場で部下を叱ったり、注意したりする事は少なくなってきている。理由はいくつかある。部下を叱る行為は部下との関係にマイナスに働く。管理者と言えども、部下に嫌われたくない。嫌われれば、今後の仕事がやりにくくなる。嫌いな人からの指導は、部下にとって受け入れ難くなる。部下に反発される場合もある。部下を傷付けたくないという心理も働くであろう。
【 2割、2割、6割 】
・社員の中には、常に問題を起こす部下がいる。逆に、注意深さで問題を発見してトラブルを回避している部下がいる。一週間に一回は会社に5分程度の遅刻をしてくる部下がいれば、始業の30分前に出社している部下がいる。社員の中にはいろんな種類の部下がいる。例を挙げればきりがない。部下の仕事に対する考え方や行動、及び能力は千差万別だ。上司は、その千差万別な部下を何人も抱えている。
・常に問題を起こしている部下、管理者泣かせである。その部下の割合は、社員の1割程度であろうか。それに準じた頻度で問題を起こす部下がまた1割はいる。この2割が管理者には要注意である。反対に、物事をよく心得ている部下がいる。管理者には有り難い部下だ。これも1割位はいよう。次に、教えなくとも自分で学習をしている部下が1割はいる。従って、こちらの2割には心配が要らない。そして、残りの6割がその中間にいて、浮いたり沈んだりしながら時々、間違った事をして叱られている。
【 黙認 】
・週に1回、5分程度の遅刻をしてくる部下がいるとしよう。この事は問題であるか否か。…もちろん問題である。遅刻を良しとする管理者はいない。しかし、管理者は彼を本当に改めさせようとするだろうか。7割の管理者は遅刻は良くないと思いつつ、見逃すだろう、…と思う。遅刻は、月に換算して僅か20分。こんな事を叱って、部下との関係を悪化させたら逆にマイナスが大き過ぎると判断する…。では、このまま遅刻を黙認するなら、プラスマイナスどのような影響が生じるであろうか。
【 時折遅刻 】
・時折遅刻をする社員が営業職であるとして考えてみよう。彼はたぶん、お客との約束時間に時折遅刻をするはずだ。この事は、確実にお客の信用を失う事に繋がる…。
・別の彼は、逆に始業の30分前には出社しているとしよう。彼は成果に繋がる見込み客への電話を、かの時折氏よりもはるかに多く掛ける事が出来る。もしくはお客に、より内容のある提案を作成する時間の余裕を持てるに違いない。
・このように、遅刻を黙認する事は部下に小さくないマイナスとなり、30分前主義を上司に叩き込まれた社員には、おそらくかなりの成果をもたらしているであろう。
・つまり、この社員が数分の遅刻を未だに"繰り返している"とするなら、それは"自分を管理する能力の欠落"を端的に示しているのである。(4月8日、この項、続く)
※ 次回のメールマガジンの配信は、7月25日です。
『 叱り屋ホリデー 』は全12章の連載です。
第272回 『 叱り屋ホリデー 』 1
- 2008/07/11(金) 15:00:00
【 ミーティング 】
・ここの所、毎日のように私は新宿の本部に出社する。執筆指導だ。本部に通い詰めるのは実に15年ぶり。
・30歳の私の友人が、『 外出するとあなたはイキイキするから、Aとミーティングしたらどうか 』と主張する。私は彼女の主張を受け入れた。今、事情があって若さを必要としているからだ。大義名分もある。もっとも、会長が本部に出社するのに、大義名分など必要ないが…。身近な人は一層身近になる。新人とは初めて対面する事になる…。
・新人は、美人ではないが可愛い人だ。彼女は今、部門長をガンガン叱咤する原稿を書いている。その彼女の顔をよくよく見ると、何と幼い事か。原稿の内容と顔立ちのあまりのアンバランスさに、つい私は口が滑る。
・『 あなた、よく見たらとても幼い顔をしてるネ 』 傷付けてしまったか。すると、こんな返事がきた。『 はい…。高校3年の時、バスに乗ったら「子ども料金でいいよ」と言われた事があります… 』 私は物書きだから、ここで突っ込む。『 で、子供料金で乗ったの? 』 『 いえ、大人の料金を払いました 』
【 あだ名 】
・フフフ、私はAを指差し『この人のあだ名知ってる?』と新人に聞く。
『 …身近な人、ですか? 』 『 そう、その通り。あなたは、幼い人で決まりだ! 』 身近な人と幼い人。今後、どんなドラマが生まれるか。
・取締役のTが横から話に加わる。『 私は会長にホリデーと名付けられましたよ。英会話コースのチーフをしていた時、暫く休めなかったので「休みを2日下さい」すると、会長からファックスが来ましたね。「チーフにホリデーはありません」と… 』 『 フフフ、それからホリデーなんだ 』
【 部屋の反対側から… 】
・ミーティングの最中、ホリデーの声が聞こえてくる。部屋の反対側から…。彼の目の前に立つ、失敗したらしい部下を叱っている。
『 何故、すぐに報告しなかったんだ! 3日間、何故黙っていた! 』
『 分からないなら、なんでその場で聞かなかったんだ! 』
・声は大きく、クドクドと…。同じ事を繰り返す。それが、5分、10分と延々続く。聞いているこちらも、決して気持の良いものではない。その上、気になって仕事に集中出来ない。
・これは、何もここに限られた話ではない。上司が部下を叱るのは、あちこちの事務所で見られる風景だ。
【 成る程… 】
・あれは2年前の事だ。『 T取締役が頻繁に、しかも長い時間、部下を叱っておられます。それで気が散るので… 』 と課を挙げて別のフロアに移っていった部門があった。『 成る程…。ホリデーはこんな風にやっていたんだ。課長のSが逃げていく気持ちも分かるなァ… 』
【 理由は三つ 】
・実は、昔のホリデーは、叱る事が出来る人間ではなかった。大人しくて、叱られる側の人間だった…。それが、何故変わったのか。
・叱るようになった理由は三つ考えられる。一つの理由は、…血と言うべきか。二つ目は環境。三つ目がこの私だ。
・一つ目の血。ホリデーの伯父は私の友人で、ガミガミと文句を言い、よく怒る。私はホリデーに言う。
『 あなたにもやっぱり小林家の血が流れていたんだ… 』
・二つ目の環境。当社は、会長の私が家で研究開発を中心に行う。社長は、お客様先、学校、講演会と外を飛び回る。ホリデーは、本部にいて会長の私の代行として、社内を仕切る。学校と8営業部門に対し、常に目を光らせている。叱るとは限らないが、叱らねばならない立場にいる。
・三つ目のこの私…。『 長年に亘り、部下への叱り方を私は教えてきた 』とAが草稿を書いてきた。私は言う。『 そんな上品な事、私はやってないヨ。やり方はもっと下品…。何をしたか分かる? 』 『 …分かりません 』
・答えは簡単。『 部門長、叱っといた? 』 『 …いえ、まだ 』 『 じゃあ、叱っといて 』それだけネ。楽してるんだ、この私は…。(3月26日、この項、続く)
※次回のブログ更新は、7月18日です。
『 叱り屋ホリデー 』は全12章の連載です。
第271回 『 遠い人、身近な人 』 後記
- 2008/07/04(金) 15:00:00
【 フーン!! 】
・Aと同年代の30歳の私の友人は、私の意識が自分に続くことをAが望んでいる確率は、1%という事はないと言っている。女心は私にはまるで謎だが、1%は控え目に過ぎたかも。友人は私に対し今のところ興味津々、そんな自分の好意を基にしたらしい。『 じゃあ、君は何%? 』と聞いても絶対に言わない。この辺がこの女の喰えない所だ。90%とは恥ずかしくて言えないのだろう。Aは、もしかしたら20%はあるのだろうか。ヘーエ!! 凄いことになってきた。
・明日3月3日にいよいよ新人が入社する。Aにメールした「身近の人を他人に譲る気分はどんな物?」 このうち「?」 マークは出せなかったが…。 時間を置いて来たメールにはかく、あった。「寂しくもあり、変化は前向きに良いこともあると思っています。A」 フ−ン!!
【 突っこむ事 】
・後日、Aより『 フーン!! とはどういう意味? 』と質問された。こういう突っこみはライターにとって大切だ。『 フーン!! 』とはやっぱり『 フーン!! 』だよネと答えたが、これは答えになっていない。文章は突っこむ事で奥行きを増す。また、あらゆる箇所で突っこむ事で、思いがけない論旨の存在に気付く。
・3月4日より、新人専用の電話が決められた。Aに『 私の電話をあなたが取りたければ、それでもいいよ 』と言ったのだが…。もう、Aは身近な人でなくなった。
・社長から、あの20%は40%以上はあるだろうという電話があった。何の話だロ…?
・社長は「遠い人、身近な人」もっと書いてくれと言っている。私はそんなの無理と答えた。なぜなら取締役が私のAへの私用のメールを禁じた。これでドラマが生まれますか…。 両手を縛り上げておいて、どうやって『 続き 』を書けと言うのか。そんなに読みたいなら社長命令でも出したらどうだ。…全く !!
・新人にはまだ会っていない。会っても意識は新人には向かわない。そういう決意でいる。なぜだって…? そうでないと、とんでもない事になる。なんと彼女には旦那がいるんだ。 現在の所、私の意識は宙を彷徨っている。
【 『善福寺川の櫻並木』後記 】
・Aに「善福寺川」は良いメルマガになったと伝え、Aも同意した。しかし、Aは『善福寺川の櫻並木』では共同執筆者だが私の名と併記できない。その旨を伝え、Aも同意した。Aに、良いテーマで良い文章だったけど…。それから自分でほぼ書いたら君が執筆、私は監修者だ。こんなの何年か先にあればの事だけどネ。Aは朗らかに笑った。
【 断末魔だ 】
・昨年夏のメルマガで三食玄米主義の性への影響は無いとした。去年3月から始めて、曲折はあったが今では二食玄米ながら1年間続いた。肉はやめ、魚、野菜、果物、そして沢山の水。今、変化を感じている。それは朝立ちが心持ちしっかりして来た、ように思う。朝だけだが…。
・私の性は今末期にある。断末魔だ。…末期だが、立派な末期と言うべきか、…フフフ。ただし、その原因ははっきりしない。二玄主義か、マットと枕か、サプリメントか、その総合効果か…。
・入社3ヵ月のAに、私は20通の私的メールを送ったのではない。…3通かせいぜい5通だ。(3月11日、この項、終了)
※次週からは『叱り屋ホリデー』(リーダーは部下をいかに叱るか)です。
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