第263回 『 遠い人、身近な人 』 1

  • 2008/05/01(木) 15:00:00

・私のメルマガの読者の多くは経営者、管理者、ビジネスマンである。従ってそこで扱うテーマは部門経営及び、それに必要なリーダーシップが中心にある。しかしこの種のテーマに限らず広くリーダー達の生活全般、例えば健康管理についても取り上げた。この他、飲酒、喫煙、食事、糖尿病、はては詩の解釈まで…。

【 自分が教育者だという事を自覚しつつ… 】
・今年、1月、私が取り上げたテーマは性であった。私にとって、以上の流れからもそれは必然であった。リーダー達にとっても、それはゆるがせに出来ないテーマである。私は初めに3章を書き、次に再説として14章を得た。内容は「私、財部一朗のヰタ・セクスアリス」注1)であった。
・17章、ここには性に関する大事な情報がいくつかあり、この情報を必要とする人は少なくないはずだ。また性への真面目な取り組みであった。私としては多くの人に喜ばれる自信があった。私は淡々とかつ簡潔に筆を進めたつもりだ。自分が教育者だという事を自覚しつつ…。しかし、事実を明確にという私の性格は変えられない。17章は読む人によっては露骨と映ったようだった。

【 眉をひそめる方々の、41年間の信頼を裏切る 】
・そして、社内に配信反対の声が起こった。ここに至って私は立ち止まらざるを得ない。多くの人は喜ばれるはずだが、何割かの人は眉をひそめるかも知れない。メルマガの読者は大部分がユーザーでもある。そして当社が性を扱う事は期待されていない。性も教育の対象とするのは少し強弁のように思える。すると私は眉をひそめる方々の、41年間の信頼を裏切る事になる。
・作者としては残念だが、ある日決断を下し、17章はお蔵入りとした。前作、『 日本で最も潰れやすい会社 』は一部の人からお褒めの言葉を頂いた。…過分に。17章はそれ以上に傑作だったのだが…。ユーモアも随所に入った。この17章はもし扱うとすれば、全く別の組織でやるしかない…。いずれ、お蔵の中からあの17章を取り出して、この私のこの世の最後の仕事として世に出してやるさ。…必ず !!
・ともあれ、その中で無難な一部を抜粋したい。

【 あのメルマガ繰り返し読んじゃうよ 】2章より…。
・この種のテーマをいつまで書くつもりか、というお声が聞こえそうだ。いや、私もそう思う。だから早く止める。ただこれを書くにはこんな理由があった。
・1月末の当社の役員会で私はこんな挨拶をした。『 昨年は赤字決算必至の状勢にありましたが、逆転黒字となりました。皆さんのご努力に感謝します。そこで今日は皆さんにお年玉を用意致しました 』するとここで『 おう 』という声が上がった。
・私は部屋の隅に待機していた事務員に声をかける。『 ではAさん、皆さんに例の物をお配りして 』 『 ハイ 』 お年玉は 『 知識は力なり、第二弾 』の3本のメルマガだった。その夜の新年会で、おうと声を上げた役員は10万円かな、20万円かなと考えたという。少し気の毒をした。

【 あれネ、材料出尽しなんだ。書けないと思うヨ 】2章より…。
・翌日、メルマガを読んだ社長から早速電話があった。『 読んだよ。いいねぇ、面白い 』 『 あれ、やっぱりお年玉だろ 』 『 そう、お年玉 』夕方、社長から再び電話 『 あのメルマガ、繰り返し読んじゃうよ。続き、もっと書いてくれないかな 』
・『 う〜ん 』 私はうなる。私も考えていたのだ。『 あれネ、材料出尽しなんだ。書けないと思うヨ 』 これで社長は諦めてくれた。(2月18日、この項、続く)

注1)「ヰタ・セクスアリス」森鴎外著 明治42年(1909年)発表
・題名はラテン語で「vita sexualis」で「性生活」を意味する。哲学者金井湛なる人物の性の歴史を描いた作品。6歳の時に見た絵草紙に始まり、悩み多き青年期を経ていく性的体験について哲学的視点から捉える内容。当初発禁処分を受けた。

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