第253回 『 日本で最も潰れやすい会社 』 7

  • 2008/02/01(金) 15:00:00

【 訓練生は何か。お客ではないのか 】
・当社のお客は誰か。言うまでもなく32万余の訓練費と13日間の日時を与える経営トップである。では、訓練生は何か…。お客ではないのか?私はこの問題に約10年前に遭遇した。そして決断をした。訓練生はお客だ! 今までここが曖昧だったのだ。お客様だから叱っても良いが丁寧語でやりなさい。以来、これを徹底している。歩みはのろいが、変化はしている…。
・講師に弱いのは訓練生ばかりではない。たとえば講師に頭の上がらない営業は講師に対するお客様のクレームを隠す。またはクレームを本部に上げずに直接講師に流す。これによりクレームは曖昧に処理され、お客様に不満を残す。

・このような事を知ると私は営業も講師も即座に罰した。そして全社に処分をファックスした。学校のリーダーは訓練室を廻り、講師の態度をチェックした。訓練生のアンケートに暴言を指摘された講師は、せっかく決定していた昇級を棒に振った。

・200人を超えるお客様に1日/12時間の訓練をし、それを13日続け、三食と、12泊に及ぶ宿泊とその施設を供すれば、クレームは常に多発する。更に発声、素読から報告書まで百数十種類の訓練を実施すれば、訓練の成果があがってない項目にクレームが来る。今は減ったがひと頃は毎月数件の処罰が行われた。お客様のクレームには原因と対策を明記したお詫び状をお送りした。10年余の取組みでクレームを最小限に抑え込んでいると思う。

【 訓練生と講師との間は険悪化した 】
・しかし油断は出来ない。この春、女子コースで入浴中、下着の盗難が発生した。以下の事は流石に私も書き難い。
・…訓練生は動揺し、会社に電話したいので電話を掛ける許可を求めてきた。講師達はあろう事か電話を禁じてしまった。会社への隠蔽を企図したのだ。これにより数十人の女子訓練生と6名余の講師との間は険悪化した。心ない言葉が講師の口をついて出て事態は更に悪化した。夜、9時過ぎ、事態を知ると私は訓練生を集めて謝罪する事、すぐ電話を許可する事を責任者に指示した。
・ところが緊迫した中で出されたこの会長命令は、責任者と講師達によって無視された。彼らは『今夜はもう遅いから電話は明日にしましょう』と言ったのだ。そして翌朝、訓練生達は当然、電話を掛ける許可を求める。これに対し講師は言を左右して先延ばしする。そして午前10時、ついに訓練生の怒りが爆発する。51人全員が訓練をボイコットしたのだ。
・ここに到って初めて事態の報告が本部に入った。講師達は何と、20社の派遣企業だけでなく、本部まで命令無視とそれが引き起こしたトラブルを隠蔽しようとしていた。そして、こんな稚拙な隠蔽工作が社会で通用すると計算していたらしい…。先生と呼ばれる人達の何という傲慢。お持ちの常識の、何というお粗末さ!
・事態は謝罪と電話の許可により収拾したが、半数の訓練生が学校を後にされた。一段落した所で私は処罰を行った。6人の講師は全員降級、責任者は諭旨解雇…。

・私は詳細を調べてありのままを派遣責任者にご報告した。数名のトップの方から厳しい詰問状が寄せられた。私は一つ一つにお答えし、許可を得てそのやり取りを他のお客様にもご報告した。
・詰問状を頂いた方のお一人が、例の『40周年記念』パーティーに出席された。そして自らお名前を名乗られ、私に握手を求めて下さった。失った信頼を取り戻した幸せな一瞬だった。一社だが…。(この項、続く)

 にほんブログ村 経営ブログへ