第244回 『 考える技術の小さな事例 』
- 2007/11/01(木) 15:00:00
【彼を動かしたのは私のメルマガでない】
・私のメルマガの愛読者のもう一人は30代前半の若い管理者で時々賛辞を頂いている。その彼がある日、自分は休肝日を作って節酒をしている旨を告げた。『ほう、やっぱり週に1回とか?』『いえ、週に4日ぐらい』『えっ!そこまでやるの?』『ええ、最近体重が増えてきましたから』と、その理由を説明した。私にはとうていまねはできない。『なるほどねェ』それでも私のメルマガが3人目の節酒をもたらした事を、物書きとして素直に喜こんでいた。
・それから何日かしてその彼から電話が入った。『実は私、この度結婚致しまして…』『え〜ッ、…私が知っている人なの?』すると彼は社内の一人の女性の名をあげた。社内きっての別嬪さんであった。とりあえず祝福して電話を切ったが、そういう事なら私だって4日の休肝日はやれるなと思った。
・すると、まもなく彼を4日の休肝へ動かした真の動機に気がついた。何と彼を動かしたのは私のメルマガではなかった。幾分か影響したかもしれないが、動機は主として奥さんにあった。彼はスリムな身体を奥さんには見せたかったのだ…。
【今になって考えの間違いに気が付いた】
・それにしても彼はなぜ休肝日の事を私に話したのだろう。私の文章によって休肝できたと、トップを喜ばしてゴマを擂る…。しかし、彼はたしかに「メルマガのおかげで」とは言ってなかった…。『ハハア、言ってはいないが上手に仄めかしてゴマを擂った。それをウカウカと私の文章力と信じてしまった。』
・私は以上のように思っていたが、この文章を書いている今になって、考えの間違に気が付いた。彼はただ事実を告げたかったのだ。休肝は彼にとってビッグニュースであり、私に伝えたい事だった。そして伝えた。ただしその動機を私に話すことは、彼には難しい事だったに違いない。…いや誰にとっても。
【真相が明らかになってどんな役に立つんだ】
・以上は考える技術の一事例である。小さなエピソードだが、この技術を使って断片を見ていけば物事の真相が明らかになる。ところで『こんな小さな事の真相が明らかに出来たって、それが経営にどんな役に立つんだ』…ですって。いえ、物事は『常に見え難く』なっている。些事であっても物事の真相を明らかに出来なくて、どうして職場の問題の本質に迫れよう。本質に迫れなくてどうして問題は解決できよう。こういう技術を身近な事に自由に使える事は、私は経営能力そのものだと思っております…。
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