第223回 『 未来を予測する 』 10
- 2007/03/20(火) 15:00:00
・インドの経済学者ラビ・バトラ博士(サザン・メソジスト大学経済学教授)は1990年代に空前の不況が起こる事を予測した。日本でバブルが弾け、経験した事のない塗炭のくるしみとなるだろう…。日本のバブル崩壊は恐慌となって東南アジアを巻き込み、やがてアメリカを含む世界に波及する…。博士の予測は一部を除いてほぼこの通りになった。著作『1990年の大恐慌』において、ラビ・バトラはバブル崩壊の時期と場所をこの上なく正確に予測した。
・書物は1987年10月に発行されている。崩壊より2年2ヵ月早い。この時、10月末の日経平均株価は23,300円、10月末ニューヨークダウは1990ドルであった。
【 未来は実は過去にあるのだ 】
・ラビ・バトラはいかにして2年2ヵ月先の未来を予測したか。実は彼がバブルの崩壊を予測した本命はアメリカであった。ここでは1929年に世界的大恐慌を発生させている。彼は1920年から1929年の間のアメリカ経済を徹底的に分析する。次に1980年から87年のデータを分析し比較する。すると危機的類似性が見つかる。未来は実に過去にあるのだ。
・あの本を当時、私は読んでいなかった。経営トップとして、また個人としても、株式や不動産を保持していた。あのバブルが崩壊したとき、私は株式は手放していて難を逃れたが不動産では少なくない損害を受けた。最近入手したこの本の175Pに次の記述を見つけた。
『 5.1989年の中頃以降、すべての株、株関連の資産、および
不動産を売り払うこと。』
2年後になすべき行為がこと細かに、明瞭に記されている。この本を当時私は読んでおくべきだったのだ。もっとも、ラビ・バトラの指示した如く、すべての株や不動産を私は売り払えたか…。いずれにせよ情報処理の良い経験ができたのに。
【 80%下落するなら、7800まで下がる 】
・(恐慌に関する)博士の予測は一部を除いてほぼこの通りになった。と私は先に書いた。ところがここに皮肉な事が起こる。一部の国の中にアメリカがあったのだ。そしてアメリカこそ、博士がバブル崩壊の本命としていたのだ。予測はやはりはずれる事もある…。
・ラビ・バトラ博士は1998年1月、『1998−2000株式大暴落 』(たちばな出版)を書いた。ここで博士は再びアメリカの株式バブルの崩壊を予測し、1998年夏、または年末のクリスマスと正月あたり、世界の株式市場が崩壊するとした。その値下げ幅は80%ぐらい暴落するかもしれない…。1930年代と同じレベルに。『日経平均が1989年に達したピーク、39,000の80%下落するなら、その指数は1997年末の15,000から7,800まで下がることになるだろう。』 ラビ・バトラ
・私は8号で次のように書いた。『 やがてバブルが弾ければ価格が急落し、目の眩むような崩壊が始まる。39,000円の日経平均が、たったの7,800円へ…。』私は過去の事実を書き、博士は未来を予測した。博士の予測、日経平均7,800円はドンピシャリとなった。5年後の2003年4月末に予測は適中した。ラビ・バトラはその神業を再び日本人に示したのだ。
・その著 『株式大暴落』 を私はまたも読んでいなかったか。忘れていたが、実は本を買っていたのだ。書棚から本を取り出し、私は頁を繰ってポイントを拾い読みした。そして『日経平均が1997年末の15,000から7,800まで下がる』 という記述を見つけた。念の為に本の最後を開いてみたら、次の記述があった。
2003年1月3日読了。 財部一朗
・2002年 10月末 日経平均 8,640円
12月末 〃 8,570円
2003年 3月末 〃 7,970円
4月末 〃 7,831円
(この項続く)
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