第208回 『 詩人と音楽家 』 5

  • 2006/09/19(火) 15:00:00

・第三の鍵は能力upの新システムが構築できないかである。これにより能力upを、今より5倍にする…。研修生の能力格差は大きい。講師は上位半数の能力upは出来るが、下位半数にはひどく手こずる。研修テーマの半分は一定技術のマスターだから班員14人に共通する。残り半分のテーマは14人それぞれが自らのテーマに挑む。そして講師の頭脳には限界があり、14人のそれぞれのテーマに対して下位半分の人には対応しきれず、事実上お手上げであった。
・悩んでいる時、ある日右脳が囁いた。『この人たちの能力は、誰がup出来るのか… 』『講師だろ? …イヤ、出来てないか』右脳がうなずく。『へぇ、まさか本人?』 右脳は首を横に振る。 『おかしいな。講師も本人も出来なければ…、 あとは班員しかいない』 すると右脳がうなずいた。『えっ! 班員が彼らの能力をup出来るのか…? 』 『ウン。試してみたら』 『やってもいいが、時間がべらぼうにかかりそうだ…』 『やってみれば知恵だって出る…』こうして新システムABC方式が構築された。まずAが自分のテーマについて拙い説明を2分行う。5点だ。隣のBがそれを受けて即座に修正スピーチをする。これも2分、10点。今度はCが自分の考えで改善を加える、30点。班員たちの知恵を集めて、流れるような改善作業が4,5人まわって、初めのAが行う説明は、見違えるほどのupを示す…。

・能力をいかに改善していくか。A,B,Cと次々に改善を加える事により能力の格差、デコボコが逆に活用された。この発想は正直にいうと最近発見した。これにより能力up5倍化は…実現した。

【 詩人や音楽家の学校は、軍隊や体育会系から最も遠いところにある 】
・体育会系は上下の関係が厳しい。日本人の国民性か、いじめやしごきもある。寮や合宿など共同生活ではそれがエスカレートする。軍隊の新兵教育がそれだった。大量の兵士を短期に育成する優れたシステムと、すさまじいいじめが共存した。

・彼らが職場に帰って新兵教育の活用より、全否定を選んだのはこのせいだ。しかし、これによりせっかくの体験が役に立たなかった。もっとも戦後の経済成長では教育の活用は必ずしも必要なく、忘れられるのが自然だったが…。しかし日本は今、中国、韓国、インドなどに追い上げられている。
・このライバルと闘うには、日本は人件費が10〜20倍と高すぎる。グローバリゼーションにより彼らと戦う企業では、社員の能力開発が急務となっている。一方ビジネスマンもだ。年功序列がゆらいでいる。終身雇用も…。格差社会が広がり、貧困層が増加している。今はビジネスマン一人ひとりが能力開発に本気に取り組むべきである。養成学校の研修コースの一つひとつは、様々な企業やビジネスマンに有効である。

・当校の研修も先に述べた理由で共同生活で行われる。ラクで楽しいなどとは言わない。能力の開発が目標だから繰り返しのハードな練習がある。厳しい審査に合格せねばならない。40キロ夜間行進も…。 しかし、いじめはもとより無意味なしごきは徹底して除いている。この学校を詩人と音楽家が創ったことを忘れないで頂きたい。軍隊と体育会系から最も遠い所にある、ということも。

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