第171回 『 指導者への道 』 7

  • 2005/04/05(火) 15:00:00

・管理者に必要とされる数多い能力… これらは学習と経験によって掴み取っていくしかない、と前号で述べた。それは3年、4年の作業ではなく、生涯をかける作業となろう。人より高い給与を受け、権限を持つ者の当然の義務でもある。

【 リーダーとして通用していない 】
・その管理者の皆さんの学習の現状はどうか… だ。皆さんは日々たゆまず学習を続けていられるか…。 そのような管理者も中にはいる。しかしその数は少なく、大多数の方々は学習をしていないかその量が少なすぎる。
・彼らが学習をしないのは何故か。忙しくて時間がない、学習の方法が分からないからか。理由はいくつもありそうだ。どなたも部長・課長としてのプライドは高い。このため自分は優れた管理者だと思っている人もいる。少なくとも、人並みに管理職をこなしていると誰もが思っている。一番の問題は、自分には学習が必要であると管理者が感じていないことにある。管理者としての能力に欠点があり、リーダーとして通用していないことに本人が気が付いていないためである。

【 部下を育成できる管理者は少ない 】
・では、具体的に管理者はどの様な欠点、マイナスを抱えているか。例えば、部門に転がる問題をほとんど解決できない管理者がいる。問題があることにすら気がつかず、放置している者もいる。また解決の策を誤り、かえって問題を大きくしてしまう人もいる。
・部下とコミュニケーションが取れない人。仕事の与え方が下手で、部下のやる気を削いでいる人。またキチンと部下を誉められない人。部下の反発を恐れ注意できない人もいる。部下を育成できる管理者となると、その数はまことに少ない。
・また、目標を達成できない業績不振の管理者もいる。既に目標の数字を忘れてしまっている人。この他にも、管理者に必要な責任感に欠ける人、意思決定ができない人、行動力のない人等、欠点も多種多様である。

【 ひややかな目 】
・これらの欠点やマイナスは、トップや部下の目にはどの様に映っているか。彼らはシビアな目を向けている。トップであれば部門の業績を悪化させるリーダーに苛立っている。彼は何度か叱るが、彼らの態度は改まらない。部下からは管理者の姿は実に良く見える。先に述べた管理者の欠点はすべて丸見えになる。故にしっかりした部下は 「こんな人の指揮には従えない」 と反発している。管理者としての立場は危機的状況である。

・こういう気配を管理者だって薄々感じている。そこで彼らの対策はトップには辞を低くイエスマンに徹し、部下とは衝突を避け妥協を常とする。

【 トップの責任 】
・このような事態はどうすれば解決できるか。トップは自分が任命した管理者が不適任と分かったら責任上、自ら解任すべきではないか。それはそうだ。ただし現実にはこのような解決策は難しいだろう。なぜなら社内で問題のある管理者は一人や二人ではないからだ。彼がもし問題のある者を解任しようと思ったら、社内の半数以上、もしかしたら大多数の管理者を失わねばならない。このようなことは誰にもとうてい為し得ないだろう。
・日本の企業における管理者の問題は、以上のように深刻である。原因は管理者がリーダーシップの故に選ばれるのでなく、農耕民族、ムラ社会の伝統に従って年功序列で選ばれる為だ。トップはリーダーシップを持つ者を求めているが、合憎多くの社員はその持ち合わせが乏しい。何故持ち合わせが乏しいかというと、リーダーシップを磨こうという習慣が日本にはほとんどないからである。(この項、続く)

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