第163回 『 人が学習する時 』 6
- 2004/12/14(火) 15:00:00
・人生を戦い抜く上で大事な事は知識量を増やす事、人の心が分かる事、問題解決能力の3項である。問題解決には努力、時間、考える技術、やる気の4つが必要で、中でもやる気が大切だと前号で述べた。やる気は、問題は必ず解決すると確信を持つことで生まれる。では、この確信を持てない人はどうするのか。
・まず易しいテーマから取り組むことである。こうして小さな成功体験を積み重ねるのが第一のコツ。第二に失敗したらやり方を変えること。第三は手を広げず問題は1つに絞ること。そして第四は小さな問題から大きな問題、易しい問題から難しい問題に段階を踏んでいくことであった。
・戦前、日本人の平均寿命は50歳であった。死因の三大要因は結核、肺炎、胃腸炎…。ご注意下さい、これらはいずれも老人病ではない。肥満もコレステロールも関係ない。現代の死因の一位である癌は下位に位置していた。足腰は丈夫、身体の細胞は若々しく機能万全でも、身体の一部を病に侵されると死に至った。そして当時の定年は50歳。つまり、定年後は殆んどの人に、老後として僅かな時間しか残されていなかった。50歳で死なねばならない人々には、自分の身体や健康に格別注意を払わなくとも、さして問題はなかったのだ。
【 俺もその辺までは生きるだろうという楽観主義 】
・戦後、日本は食糧事情の変化、医学の発達、衛生知識の普及等で、今や世界一の長寿国になった。現代は平均寿命80歳の時代である。
・平均寿命が80歳ならば、俺もその辺までは生きるだろうという楽観派がいる。独り先に死ぬのは嫌だから、人並みに80歳までは生きたいものだと何もしないで願う横着者がいる。しかし80歳まで生きる事は、一部の健康な人を除いて意外に難事業なのである。その証拠に楽観派や横着者の多い男性の平均寿命78、きちんと管理ができる女性85を見れば一目で分かる。外見は元気そうでも50代でボケが始まり内臓がイカれ、60代で歯、視力、足腰は年齢を重ねるたびに機能が低下している。70代になると体のあちこちにガタがきて、体力の衰えは歴然とする。…かくして78歳を迎えねばならない。
・戦前より30年、現代の定年60歳から20年、私達の老後は余りに長い。そしてここは誰にも未知の世界、知らない事、学ぶべき事が山のようにある。まず健康に関する知識、病気の予防法を学び、より長く生きる為の知識を身につけねばならない。スポーツやウォーキングなどを習慣とする。更に健康診断や人間ドックなどで、身体の各部をマメにチェックする。自分の身体のどこに問題があるかを発見し、すぐに対策を取らねばならぬ。病気にならないよう心掛け、病気になれば病院と良き医師を探し出すべく情報を集める。まさに『知識』、『問題解決』 である。これがなければ80歳まで生きられない。
・80歳まで健康に生きたとして、これだけでは十分ではない。人はより良く生きる事が必要となる。より良くとは経済的に安定する事だ。高齢者に収入の道は一般にない。年金はもはやあてにできない。住む家、月々の生活費は退職までによく考え、ある程度確保しておかないと先で苦しむ事になる。特に都会に住む人にとって生活はたやすくない。定年後を見通して計画的に積みあげる事だ。
・人生で大事な三つのうち、残るは 『人の心が分かる』 事である。これがいかに大切かは解説するまでもない。人は一人では生きていけない。人の心が分かる人はどこにいても知己を得る事が出来る。それは老齢の寂しさをほどよく癒してくれるであろう。いや、それ以上の喜びも得られる。
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