第164回 『 2005年を読む 』
- 2004/12/28(火) 15:10:00
・先日こんな記事を目にした。日本プロ野球選手会長の古田選手が日本将棋連盟からアマ三段の免状を贈られた。これに対し古田選手は「バッターはピッチャーの投球を考え、キャッチャーもバッターの狙いを常に考えてサインを出す。相手の手を読むところは野球も将棋も共通している。将棋のプロは十数手先を読むけれど、僕も2、3手先までは読むように将棋をやってます。」
【 欠陥は大事な手続きを省略するため 】
・『先を読む』これは私達の住むビジネスの世界にも共通する大切な技術である。では 私達ビジネスマンは通常何を読むことが多いか。企業のトップや管理者であれば、自社、自部門の来年の売上と利益に関心を持ち、これが大きくなることを願う。またそれは会社の生命線でもある。
・しかし多くのビジネスマンには売上一つとってもままにならない。このため目標は未達が多く、やってみなければ目標は分からないサと心の底で考えている。それは売上を読む、見通すことに欠陥があり、大事な手続を省略するために起こる。では大事な手続とは何か。過去に何度か述べたが、データとその分析により導き出される現状の実態をしっかり認識することである。
【 トレンドの位置をたしかめる 】
・来年の売上を読むためのデータとは何か。まず、今年の総売上だ。仮にこれを10億とすると、普通なら来年もこの前後の数字に落ち着くであろう。見通しである。『成程、これだッ』手続無視派はすぐ飛びつく。誰でも売上を減らしたくないから、10億に5%、10%アップでやるという目標を立てる。しかしこれはドンブリ勘定、正しい予測とは言えない。
・売上にはトレンドがあって、右肩上がり、右肩下がり、横ばいの三種類あり、自分達がトレンドのどの位置にあるかをたしかめるべきだ。トレンドを見るには過去10年分、最低でも5ヵ年分の年間売上データを用意して、時系列に縦に並べて表を作る。この表を見れば部門の近年の動向が分かる。年々売上が落ちてきている部門、安定して売上が右肩上がりの部門、横這いの部門…。
・過去に遡って5年の変化をたどれば、部門のトレンド、来年の売上の輪郭が見えてくる。もし下降トレンドにあるなら、10億の5%アップさえ達成はおぼつかない。これをやるには、特別の対策を用意すべきである。
【 先を見通す作業を続けよ 】
・この他にもカウントすべきデータがある。たとえばこれから成長をする部門があり、その勢いが強ければ、売上の予測値はあがる。これに出店・閉店の計画があり、新製品や新事業の立ちあげ、既存事業からの撤退などが売上を左右する。これらの予測をきちんと立てれば、来年の売上は信憑性の高い数値が得られよう。
・この他に人に関するデータがある。たとえば営業部門の増員、減員計画があればダイレクトに売上に影響する。あるいは新人が成長して戦力になる時期がある。ベテランが次々に定年を迎えるなど、かれらの退社は計算からはずせない。
・このようにして先を見通し、目標を立てる、そして新しい年度に突入する。…やがて2ヵ月が過ぎ3ヵ月が過ぎる。この先を見通す作業はもうやらなくてよい、…か!?とんでもない。ビジネスはこの作業が基本である。毎月、その月の数字を見通して下さい。週に1回、この作業を続けて下さい、そして一年中。それがビジネスを強くし人を強くします。
・2004年も残すところあと3日。本年はいろいろお世話になりました。新しい年が皆さまにとって良き年になりますこと、お祈り申し上げます。
第163回 『 人が学習する時 』 6
- 2004/12/14(火) 15:00:00
・人生を戦い抜く上で大事な事は知識量を増やす事、人の心が分かる事、問題解決能力の3項である。問題解決には努力、時間、考える技術、やる気の4つが必要で、中でもやる気が大切だと前号で述べた。やる気は、問題は必ず解決すると確信を持つことで生まれる。では、この確信を持てない人はどうするのか。
・まず易しいテーマから取り組むことである。こうして小さな成功体験を積み重ねるのが第一のコツ。第二に失敗したらやり方を変えること。第三は手を広げず問題は1つに絞ること。そして第四は小さな問題から大きな問題、易しい問題から難しい問題に段階を踏んでいくことであった。
・戦前、日本人の平均寿命は50歳であった。死因の三大要因は結核、肺炎、胃腸炎…。ご注意下さい、これらはいずれも老人病ではない。肥満もコレステロールも関係ない。現代の死因の一位である癌は下位に位置していた。足腰は丈夫、身体の細胞は若々しく機能万全でも、身体の一部を病に侵されると死に至った。そして当時の定年は50歳。つまり、定年後は殆んどの人に、老後として僅かな時間しか残されていなかった。50歳で死なねばならない人々には、自分の身体や健康に格別注意を払わなくとも、さして問題はなかったのだ。
【 俺もその辺までは生きるだろうという楽観主義 】
・戦後、日本は食糧事情の変化、医学の発達、衛生知識の普及等で、今や世界一の長寿国になった。現代は平均寿命80歳の時代である。
・平均寿命が80歳ならば、俺もその辺までは生きるだろうという楽観派がいる。独り先に死ぬのは嫌だから、人並みに80歳までは生きたいものだと何もしないで願う横着者がいる。しかし80歳まで生きる事は、一部の健康な人を除いて意外に難事業なのである。その証拠に楽観派や横着者の多い男性の平均寿命78、きちんと管理ができる女性85を見れば一目で分かる。外見は元気そうでも50代でボケが始まり内臓がイカれ、60代で歯、視力、足腰は年齢を重ねるたびに機能が低下している。70代になると体のあちこちにガタがきて、体力の衰えは歴然とする。…かくして78歳を迎えねばならない。
・戦前より30年、現代の定年60歳から20年、私達の老後は余りに長い。そしてここは誰にも未知の世界、知らない事、学ぶべき事が山のようにある。まず健康に関する知識、病気の予防法を学び、より長く生きる為の知識を身につけねばならない。スポーツやウォーキングなどを習慣とする。更に健康診断や人間ドックなどで、身体の各部をマメにチェックする。自分の身体のどこに問題があるかを発見し、すぐに対策を取らねばならぬ。病気にならないよう心掛け、病気になれば病院と良き医師を探し出すべく情報を集める。まさに『知識』、『問題解決』 である。これがなければ80歳まで生きられない。
・80歳まで健康に生きたとして、これだけでは十分ではない。人はより良く生きる事が必要となる。より良くとは経済的に安定する事だ。高齢者に収入の道は一般にない。年金はもはやあてにできない。住む家、月々の生活費は退職までによく考え、ある程度確保しておかないと先で苦しむ事になる。特に都会に住む人にとって生活はたやすくない。定年後を見通して計画的に積みあげる事だ。
・人生で大事な三つのうち、残るは 『人の心が分かる』 事である。これがいかに大切かは解説するまでもない。人は一人では生きていけない。人の心が分かる人はどこにいても知己を得る事が出来る。それは老齢の寂しさをほどよく癒してくれるであろう。いや、それ以上の喜びも得られる。
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