第127回 『 匿名の葉書 』 10
- 2004/02/10(火) 15:00:00
【 新人が悩んでいることは何か 】
・「オーイ皆、お客に同行して欲しい人はいないか。いれば行くぞ〜。」見込客への営業同行は、多くの部門長が自分の任務と考えている。未熟な新人が発見した見込客を、経験豊富な部門長が上手に契約に持ち込む。そのモデルを実地で学習でき、かつ見込客が客に変わるかもしれない。部門長が同行を呼びかけるのは、見込客を作る事を奨励する方策でもある。
・しかし部門長の見込客への同行は新人育成に有効かというと、少し疑問がある。この種の部門長の指導や援助は、新人が困難と感じている箇所に向けられて初めて効果がある。最も困難と感じている箇所であれば更にいいだろう。新人は見込客を客にする事にあまり悩んではいない。彼が悩んでいる事は見込み客を作ること、その数が少なすぎる事だ。従って営業同行は必ずしも有効な対策ではない。
【 一日または半日のぼんやり同行 】
・私は部門長達に見込客への営業同行はあまり有効ではない。もしもやるなら一日、または半日の『 ぼんやり同行 』をする方がずっと良いと助言している。もちろん、誰も助言に耳を藉さないが…。
・営業活動は一日の訪問計画を立て、アポイントを取り外出する。そして夕方まで帰ってこない。ここではデスクワークと営業活動の品質によって勝負は決まる。つまり部門長の見えない所で主要な作業は進められる。そのデスクワークと本当の訪問数、そこでのセールスの展開とセールストーク等、部門長は誰も一度も見たことがない。見たことがなくて、どうして管理していると言えるのだろう。
・当然、そこにはさまざまな無駄があろう。訪問計画がずさんで、一日の半分の時間が失われているかもしれない。それが訪問件数が少ない原因となっている…。ぼんやり同行とは朝8時に始まる営業マンの行動を、半日もしくは一日同行してデスクワークと営業をよく観察して問題を発見しよう。訪問先でも自分は口出ししないで、営業マンを観ようというものである。
【 知れば何とかしなくてはならない、つまり教育 】
・部門長たちが私の助言を受け入れないのは何故か。彼らはぼんやり同行など効果がないと思っているからか。いや、効果があると感じているからだと思う。彼らがこれをやらないのは、やればその人物の欠点を知ってしまう。知れば何とかしなくてはならない、つまり教育…。それは自分にできないことか、大変な負担になると考える為である。たしかに教育は大変だが、部門長が初めから逃げていては新人は助からない。
・また、見込客への「部門長同行」はあまり効果はないが、部門長が新人と同行して半日、一日の『軒並みトビコミ』は効果はずっと良いと助言している。もちろん部門長は私の助言に耳を藉さないが…。 軒並みトビコミが効果があるのは営業マンの対人恐怖症を消し飛ばしてしまう。これによって新人の面談数は簡単に2倍になろう。また、困難に立ち向う部門長の実技の、身近な学習の場となる。昔はこうして部下を育てたが、今の部門長はこれをしないのだろうか。
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