第122回 『 匿名の葉書 』 5
- 2004/01/06(火) 15:10:00
・小さな会社に存在する更に小さな事業、英会話(事業部)は昨年の年商は9000万円に終わった。このコースは夏休み、冬休み、ゴールデンウィークのきわめて短い季節商品であり、オフシーズンは休業のことが多い。シーズンの生徒数を2、3倍にできればいいが、仮にできても不定期の講師は簡単に増員し、講師として教育できない。
・この小部門の存続を巡って関係者の間でこの10年、二年に一度は話し合われた。 20年の歴史の中で売上は昭和62年の1.7億が最高である。つまり最盛期でボチボチの事業が、20年間たって年商9000万円…。見る影もない。事業は赤字ではないが、当社売上の4%弱の事業に人手と資金をさくことは得策ではない。20年を経て伸びる見込みがないものは、捨てるのが経営であろう。早く決断すべきだった…か?
・この場合の取るべき道は1.改革…、 2.現状…、 3.廃部 の三つしかない。1は人手と金がかかり、3は現に生きているものを自分(たち)の手で止めを刺すのは忍び難い。担当部門には何度か 「やめようか」 と声を掛けた。部門長はどうでも良さそうだったが、担当女性が私の代で廃止したくないと言った。事業はこうして生き残った。ところで、私たちのこの判断は先送りだったか…。
・ある事業を廃止すれば、その事業の研究製造販売に関する一連の技術やノーハウが会社の中から失われる。一旦離散すればこのシステムの再構築は簡単ではない。また、時代が変わればかつて見捨てられた商品が見直されることもある。そばで動いていれば、「エッ、どうなの」と目を止めることもできる。廃部はそれなりの判断を要する。
【 こうして事業の改革が始まった 】
・事業の廃止は競合するライバル社の、競合地域における戦力の質と量が判断の基準となる。英会話スクールは日本各地にゴマンとある。しかし合宿英会話となると、数はきわめて少ない。我々のシステムには英語教育のノーハウが詰まっていた。少ないがファンもいた。当社が合宿制の火を消したら、これを必要とする人の期待を裏切る事になる。教育の内容や販売面で、私はこの事業の可能性を十分に追求していない。今やめたら、後々後悔するだろうな…と思った。
・昨年初夏、こうして英会話事業の改革を始めることにした。私たちは改革を始めることで、問題の先送りの数度の経営判断を、一応生かすことができた。ここには廃部を持ちこたえた経営努力があったし、チャンスに打って出る余力を保持していた…。
・コースの改革とは新しい企画とシナリオの執筆であり、私が作業の中核になる。朝から晩まで、私はひとり自宅にこもって書き進めた。先頭に立つ経営トップに対し、外国人講師の反対がどの程度のものか判然としない。たんに反対だよと意見を述べただけかもしれないし、強く反対したのかもしれない。しかし現場担当者がビビり、部門長は問題に近寄ることもなかった。夏、私の計画は現場で頓挫し、これらを横目で眺めながら私は作業を続けていた。(この項、続く)
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